北方館だより


根室市の新任研修とサケ・マス漁の解禁


                                                                       
根室市新任研修

 台風並みに発達した低気圧が道東沖に接近した影響で、根室では1日に暴風雪の大荒れの天気となり、3月31日夜からの降雪量は37センチに達し、午後1時22分には最大瞬間風速33.8メートルを観測、この気象状況について根室測候所は「4月としては観測史上最大級の降雪量や風速を記録した。」と発表しました。
 市内は風雪による吹き溜まりで道路の通行止めが相次ぎ、路線バスは前面運休、JRも運休が続発するなど交通機関は大きく乱れました。
 北方館のある根室半島先端の納沙布と市中心部を結ぶ道道根室半島線も午前9時に全面通行止めとなったほか、断続的に停電が続き「孤立状態」となりましたが、2日午後3時までに道路、電気とも復旧し約30時間ぶりにほぼ正常に戻りましたが、地域住民の生活に大きな影響を与えました。
 しかし、この雪もその後の春の陽気に誘われ急速に解け、釧路管内鶴居村などの給餌場で冬を越した国の天然記念物タンチョウや北帰行のオオハクチョウの群れが、風連湖、温根沼周辺に戻り、優雅な姿を見せて春の訪れを告げています。

 また、昨年に引き続き根室市は23日に8人が参加して平成20年度新任職員研修を納沙布岬や北方館・望郷の家で行いました。
 この研修は、新任職員が「地域研修」の一環として北方領土問題について現地研修を行うものですが、当日の岬周辺は薄く海霧がかかり国後島は見えなかったものの歯舞群島の島々を望みその近さに接しながら、北方館職員の説明を熱心に聞きメモなどを取って北方領土の歴史やロシア人との交流、北方海域における拿捕事件と安全操業問題などを学び、新任職員からは、「領土問題は限られた地域だけの問題ではないことが理解できた。」、「元島民の高齢化が進む中、次の世代に伝えていく役割を改めて認識できた。」などの声が数多く聞かれました。
 参加者はいずれも北方領土問題に対する関心と理解を深めており、このことは正に後継者の拡大へと繋がっていくものと信じています。

 一方、道東の春の味覚トキシラズ(回遊中のシロザケ)やカラフトマスを漁獲する日本200カイリ水域内の太平洋小型サケ・マス流し網漁が15日解禁となり、主力の根室からは12隻が花咲、歯舞の各漁港から一斉に出漁し、家族や関係者らの見送りを受け、大漁旗を掲げて漁場へと向かいました。
 同漁の操業隻数は、道知事の許可を受けた10トン未満の小型船で、全道から昨年より5隻少ない82隻(根室市 31隻)が順次出漁していますが、母川国主義に基づき先の日ロ政府間交渉で今年の漁獲可能量は、シロザケとカラフトマス合わせて2,855トンと前年より120トン減らされ、漁獲実績に応じて1キロ当たり145円9銭の漁業協力費をロシア側に支払うことから、協力費は昨年より4円61銭減額されたものの燃油の高騰や魚価形成では依然厳しい操業状況となっており、船主の一人は「経営環境が厳しいので、魚価が低迷しないことを祈っている。」と話していました。

 【4月入館者数:9,479人】

(文:米谷隆北方館館長)



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