北方館だより


市議会の「視察ラッシュ」と道東太平洋沖の「サンマ漁」


                                                                       


市議会視察


 

 7月に入って酪農地帯でもある根室市郊外の牧草地では、今「一番草」の刈り取りがたけなわで、原野ではエゾカンゾウの橙色の花やヒオウギアヤメの群落が一斉に淡い紫色の花を開くなど、野の花の美しい季節を迎えています。

農業関係者によりますと、一番草の刈り取り作業は6月下旬から始まり「雨や濃霧のためやや遅れ気味だったが、その後は順調に進んでいる。」との事で、このところの天候に恵まれて、刈り取った牧草を裁断する自走式のハーベスターが牧草地を走り回り、トラックで運ばれた牧草は主にバンカーサイロでサイレージにされますが、ロールベーラーという大型機械を使い畑で牧草ロールにしている酪農家もあり、ようやく冷涼な根室半島にも短い「夏の訪れ」を告げています。

また、全国各地の市議会が行政視察のため根室市を相次いで訪れ、納沙布岬から北方領土を視察しました。

本年度における市議会の領土視察は5月に長崎県諫早市、佐賀県唐津市の2件のみでしたが、今月は10件(愛知県一宮市、千葉県柏市、鹿児島県鹿児島市、岡山県津山市、静岡県浜松市、栃木県矢板市、山口県下関市、千葉県銚子市、福島県会津市、広島県東広島市)を数える各市議会の会派や常任委員会からなる視察が行われ、現時点で今後予定されている視察もすでに3件あり、これまでとは打って変わった市議会の「視察ラッシュ」や例年よりも多い北方少年少女塾、修学旅行などの対応に終われています。

各市議会は岬や北方館で当館職員の説明を受け、参加議員はいずれも北方領土問題に対する理解を深めており、このことが全国の市議会関係者に領土返還要求運動に関心を持ってもらう絶好の機会となり、しいては広く国民世論の高揚へと結びついていくものと信じています。

一方、道東太平洋沖の「サンマ漁」の皮切りとなる流し網漁が8日解禁となり、釧路、根室管内の各港から10トン未満船約70隻が出漁しました。

燃料の高騰に加え魚群の北上が例年より遅いとの予想もあり、初日の出漁隻数は大幅に減り、昨年70隻が出漁した根室市の花咲、落石、歯舞の3港からは三分の一となる25隻が、霧雨の中、午前4時に次々と出港しましたが浜の人影はまばらで、例年にない寂しい出漁風景となりました。

しかし、10年連続サンマ水揚げ量日本一の根室・花咲港では、事前の予想を良い意味で裏切る好スタートを切り、9日朝までに24隻が1,900ケース(1ケース10キロ前後)約19トンを初水揚げし、同港としては出漁船が減少したものの昨年の11トンを上回る水揚げ数量で、燃料高に苦しむ漁業者をひとまずほっとさせました。

注目された市場価格は、はしり漁としては総体的に昨年を下回る価格でのスタートとなりましたが、漁業関係者は「当初は漁場が遠いと聞いて出漁しないつもりだった。初日から近場で大型魚がこれだけ取れるとは。」と驚きと期待を込めて話していました。

 漁期は9月10日までで、サンマ漁の主力となる棒受け網漁は8月中旬から本格化します。
 【7月入館者数:15,416人】

(文:米谷隆北方館館長)



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