北方館だより


返還運動への若い力とこの一年を顧みて

                                                                       



北方領土返還要求運動の推進を考える青年懇談会
 

 

 

 12月に入り寒さが一段と増した根室ですが、月半ばを過ぎても降雪量がゼロという雪のない日々が続いています。

道内でも元々雪が少ない地域とはいえ、この時期まで降雪が観測されないのもめったになく、11月4日の初雪も量が少なく記録上はゼロ、その後もまとまった降雪がありませんでした。財団法人日本気象協会によりますと今後もこのような天候が続くとの事で、昨年に引き続き雪のない師走となりそうです。

 この師走の柔らかな日差しと冷たい風を受けて、冬の味覚コマイの天日干しが市内の水産加工場で最盛期を迎えています。

根室沿岸で揚がった体長15センチ前後のコマイは、頭と内臓を取り除き塩水につけた後に露天に設けられたすだれで天日干し作業を1週間ほど繰り返すと、身がふっくらとし独特の甘味を帯びた味となります。さっと焼けば酒の肴に最高であることから、根室の特産品「天日干しコマイ」として主に本州方面に出荷されています。

 また、北方領土返還要求運動への若者の参加を促そうと、根室市は10日夜、市内の青年団体による初の懇談会「北方領土返還要求運動の推進を考える青年懇談会」を北海道立北方四島交流センター(ニ・ホ・ロ)で開きました。

 この懇談会は、社団法人千島歯舞諸島居住者連盟根室支部青年部、根室青年会議所、根室ローターアクトクラブなどから33人が出席して行われました。内閣府が11月に発表した北方領土問題に関する世論調査で、返還運動に参加したい人が3割強にとどまったため、若い世代を引きつける運動のあり方を話し合いました。

 参加者たちは、人気テレビ番組の合間に領土返還を訴えるCMを流すことや、有名歌手による納沙布岬でのコンサート、全国規模のクイズ大会などを提案しました。その中で、北方領土のテーマソングやイメージキャラクターの制作、北方領土をイメージした菓子作り、インターネット・携帯電話を利用した署名活動などのアイデアも出されました。

 次回は来年1月か2月に開催する予定で、今回、出た意見を更に検討した上で、若者たちが実行委員会を組織して実現できることがないかを話し合うとの事です。根室市北方領土対策・企画政策課は「やらされる運動ではなく、自分たちからやる運動に変わってほしい。」と期待しています。

 まもなく平成20年が暮れようとしておりますが、この1年を顧みますとさまざまなニュースが根室半島を駆け巡りました。

 3年連続となった納沙布岬での初日の出から始まり、2年ぶりに根室海峡を埋め尽くした流氷と貝殻島コンブ漁の漁業被害、北海道洞爺湖サミットを前に日本で勤務している外国人記者のプレスツアーと日ロ青年交流事業で来日中のロシア青年使節団による北方領土視察、北方領土返還要求運動原点の地である根室市への林幹雄・佐藤勉内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)の訪問と全国各地から殺到した市議会の行政視察、8年目を迎えた北方少年少女塾と過去最多の記録となった中学・高校の修学旅行生による北方領土学習、北方領土返還運動全国強調月間における北方領土ノサップ岬マラソン大会や北方領土まで歩こう会などの各種啓発事業の開催、また、漁獲量が過去20年で最小となった秋サケ漁の不振や北方領土を間近に望むクルージングの運行など身近な地域の出来事や話題が目に浮かびます。

このような中で特に注目すべき点は、今年に入りロシア当局による漁船の拿捕が1件も発生していない事で、このまま年末を迎えますと平成15年以来5年振りの明るい知らせとなります。過去における拿捕事件では数々の不幸な結果を積み重ねてきただけに、今後とも平穏で安全な操業を続けていただくことを心から願っています。

 本年も残すところ数日となりましたが、全国の返還運動関係者の皆様には北方館に対しまして多方面に亘り種々ご高配を賜り厚くお礼を申し上げます。

 私ども北方館職員は、返還運動への全国民の皆様の深いご理解とご参加をいただき、より一層の国民世論の高揚を図り、一日も早い北方領土の返還実現を目指すため頑張ってまいります。

 皆様には良い新年を迎えられますことをご祈念申し上げまして年末の「北方館だより」といたします。



(文:米谷隆北方館館長)



サイトマップ  サイトポリシー