北方館だより


少年少女の領土学習とビザなし交流

                                                                       



浜松市立北部中学校修学旅行
 

 

 

 5月に入り、根室測候所は10日にサクラの開花を発表しました。桜前線は、1月2日の那覇から順次、日本列島を北上し、ようやく終着点の根室に到達しました。

根室に咲くチシマザクラは、2月末以降暖かい日が続いたことから、開花は、観測史上2番目の早さで昨年より6日、平年より10日早い開花となりました。チシマザクラは、3日から5日間ほどで満開となり、チシマザクラならではの白っぽい花が枝を覆うように咲き誇っていました。

 北方領土返還運動の後継者を育てる「北方少年少女塾」の別海町立上春別中学校の1、2年生6人が20日に、また、「北方領土を目で見る運動」の修学旅行誘致により、静岡県浜松市立北部中学校の3年生41人が21日に根室入りし、納沙布岬から北方領土を望みました。

生徒たちは、北方館の職員から北方領土問題の説明を受け、望遠鏡や肉眼で北方四島の一つである歯舞群島の貝殻島や水晶島を確認し、「こんなに近いのに行けないなんて、元島民はつらいと思う。」、「遠くて見えないと思っていたけれど、あんなに近いなら、船ですぐに行けるね。」などと驚いていました。

 一方、本年度初めての北方領土ビザなし交流(道推進委員会)が実施され、元島民や返還運動関係者ら61人で構成する訪問団が、22日、チャーター船「ロサ・ルゴサ」(480トン)で根室港を出発し、択捉島へ向かいました。

小林常次団長(後志管内泊村議)は、「手続きの問題で1回目が中止となり、出発前日まで実施できるか心配だったが、無事出発できることになりました。」と挨拶し、約100人の関係者に見送られ出航しました。

一行は同日午後、国後島古釜布沖で入域手続きを行い、23日朝に択捉島に上陸。島では日本人墓地やふ化場などを訪問、ロシア人島民との対話集会では「ビザなし交流のあり方」などをテーマに取り上げました。一行は、25日に根室へ戻る予定でしたが、天候不良でロシア側の出域手続きができず、1日遅れの帰港となりました。

帰港後に記者会見した小林団長らは、「友好的な交流ができたが、北方領土問題に対する考え方は、依然として両者で大きな隔たりがある。」と語っていました。


【5月入館者数:13,186人】

(文:米谷隆北方館館長)



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