北方館だより

歴史的資料の保存と外相の視察

                                                                       


岡田外務大臣視察
 

 

納沙布岬灯台に設置されている「納沙布岬霧信号所」が3月末で廃止されました。

 霧信号所は、視界不良時の「海の道しるべ」として航海の安全確保に大きな役割を果たしてきましたが、近年はレーダーやGPSなど信頼性の高い航海計器類が普及したことから、海上保安庁は、時代の変遷と共に信号所の役目は終えたとして、順次廃止を進めています。

納沙布岬霧信号所は、明治11年6月から運用が開始され、今日まで根室の基幹産業の水産・漁業を航海の面から支えてきた歴史ある信号所で、根室市歴史と自然の資料館では、何とか保存をと検討を続けてきましたが、施設そのものの保存は難しいことなどから記録を残すことが決まり、歴史的資料として保存するため、根室市教育委員会が、管理者である根室海上保安部の協力で、写真撮影や霧笛信号音の収録などを行いました。

同資料館の高橋稔館長は「海の安全を守ってきた施設がなくなるのは寂しいが、霧笛の時代があったという記録を保存したい。」と話していました。

 3月7日、岡田克也外務大臣は就任後初めて根室市を訪れ、高橋はるみ北海道知事や長谷川俊輔根室市長らと共に納沙布岬から歯舞群島など北方領土を視察しました。岡田外相は、「こんなに近いのかとあらためて感じた。」と話しました。

その後、対話集会が道立北方四島交流センター(ニ・ホ・ロ)で行われ、約30人の元島民や返還運動関係者らが参加しました。岡田外相はあいさつで、鳩山由紀夫首相とメドベージェフ大統領との日ロ首脳会談について「今年1年で、1度でも多く会談をしたい。」と述べ、両国首脳が顔をそろえる国際会議の際に、会談をセットするように努める考えを表明しました。これに続くあいさつ後の対話は非公開で行われ、終了後、岡田外相は元島民から「元気なうちに領土問題を解決してほしい。」との要望があったことを紹介。「何とか鳩山首相の代で大きな前進を見たいとあらためて感じた。」と話しました。この対話集会に参加した元島民は、「就任後半年という早い時期に来てくれて良かった。」と話し、岡田外相の根室訪問を評価しておりました。

なお、外相が根室を訪れ、北方領土を視察したのは、平成14年の川口順子(よりこ)外相(当時)以来8年ぶりとなります。

 昨年に引き続き、3月25日から27日の日程で、滋賀県・北方少年少女交流事業のため、根室市に来ました。中学生一行は、26日に地元中学生5名と共に、納沙布岬や北方館での現地視察や、ニ・ホ・ロで領土学習などを行い、長谷川俊輔根室市長を表敬訪問しました。27日には、北方領土クルーズなどを体験し、北方領土問題への認識を深めました。


 【3月入館者数:3,976人】


 

 



(文:米谷隆北方館館長)



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