北方館だより

貝殻島コンブ漁解禁と初任者研修

                                                                       


初任者研修
 

 6月に入った根室では、根室港開港100周年記念式典とシンポジウム(市など主催)が1日、市総合文化会館で開かれました。市民や関係者約200人が一世紀の節目を祝い、根室港の更なる発展を誓いました。根室港は明治43年、函館港、釧路港などに続き、道内5か所目の貿易港として開港され、昭和32年には重要港湾に指定されました。また、根室港は、サケ・マス漁やサンマ漁の基地としても発展してきました。

 式典では、長谷川俊輔市長が「根室港は、水産業振興やロシアとの物的・人的交流で重要な役割を担っており、地域の財産としてその価値を再認識する機会にしたい。」と挨拶を行いました。また、シンポジウムでは、公立はこだて未来大の長野章教授が「根室の6次産業化による地域振興の進め方」をテーマに、港を中心に魚介類の生産・加工・販売を連携させる重要性についての基調講演を行いました。

 また、北方領土・貝殻島周辺のコンブ漁も同日に解禁され、納沙布岬沖から昨年より11隻多い255隻が一斉に出漁し、褐色のサオマエコンブを初水揚げしました。サオマエコンブは、生育途上のナガコンブで身が柔らかく、「貝殻島産」は高級品として名が知られています。日ロ民間交渉に基づく操業で、今年の採取量は4,144トン、ロシア側に支払う採取料は9,028万円で、コンブ漁は9月末まで続きます。

 好天で3年ぶりに解禁日の出漁となった納沙布岬周辺には、午前6時の出漁前から市内の3漁協に所属するコンブ漁船が続々と集合し、サイレンと花火の合図とともに日ロ中間ラインを越え、約3.7キロ先の貝殻島灯台周辺へ向かいました。出漁した漁船は、午前9時過ぎに岬に近い漁港で水揚げをしました。漁業者は、今年は日照不足などによる生育の遅れが懸念されたが、「昨年より丈が短いが、実入りはまずまずで豊漁を期待したい。」と話していました。

 今年も北海道教育委員会(根室教育局主管)主催の初任者研修が3日と9日の両日、北方館で開かれ、根釧地区の公立小・中学校、高校、特別支援学校から80人の新任教員が参加しました。

 研修では、北海道教育大学釧路校の吉岡教之氏が、北方領土の概要と最近の領土問題の動きについて講演を行った後、新任教員は、館内の展示資料を見学し、当館職員の説明に熱心に耳を傾け、北方領土問題についての認識を更に深めました。更に、中標津町立東小学校の原健一教諭が「北方領土に関する学習の実際」を課題に、現在、取り組んでいる領土学習について紹介し、解説を行いました。

 新任教員は、北方領土を間近に接し、身近な問題として実感するとともに、北方領土学習の実践に向けて意欲を見せていました。


 【6月入館者数:14,671人】


 

 



(文:米谷隆北方館館長)



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