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北方領土の自然

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1.海流に影響される北方領土の気候

(1)海流に影響される北方領土の気候

北方領土の東側は太平洋に、西側はオホーツク海にそれぞれ面しています。この海域は海流があり、季節によって、気候に大きな影響を与えます。

(2)北方領土の気温

気温は、海洋気象の影響を受けて寒暑の差が緩慢で、冬でも寒さはそう厳しくありません。冬の平均気温は、零下5度か6度くらいで、根室地方とほぼ同じくらいです。しかし、夏の気温が月平均10度以上にのぼるのは6月から10月までで、8月でさえ平均16度くらいです。これは、海霧ガスのため日照時間が少なく、そのうえ海から冷たい風が吹いてくるからです。なお、択捉島紗那測候所の観測記録(昭和5~7年)によれば、年平均摂氏3度から5度で、月平均最低気温が零下5度以下の月は12月から3月までの4ヶ月、月平均最高気温が摂氏10度以上の月は6月から10月までの5ヶ月となっています。

(3)北方領土の海霧ガス

海霧は、冬はほとんどなく、3月から9月にかけて発生し、6月から8月にかけてもっとも多くなります。

(4)北方領土の風雪について

年間を通じて風の日が多く、特に、冬の間は雪をつけた風が何日も続くことがあり、ひと月のうち、暴風の日が20日くらいもあります。しかし、雪の積もる量は平均0.5mぐらいで、あまり多くはありません。

降雪期は11月から5月上旬までで、流氷は2、3月に多くなります。オホーツク側は1月から3月に海岸が結氷しますが、太平洋側は結氷しません。雨量は、年1,200mm前後です。
歯舞群島と色丹島の気候は、国後島や択捉島とほとんど変わりありません。得撫島から北の島々は、国後島や択捉島に比べて、気候がやや厳しいくらいです。

2.北方領土の動植物について

北海道と千島列島の植物帯の境界・宮部ライン動植物の分布状況を見ると、北方領土の島々は、北海道本島の動植物の分布と全く同じで、得撫うるっぷ島より北の千島列島のものとは違いがあります。

この境界線は「宮部ライン」と呼称され、これ以南は東亜温帯地方として日本中北部植物帯の北限を成し、これ以北は亜寒帯地方としてカムチャツカ南西地方(アリューシャンを含む)に属することが、1930年代初期に学問的に立証されています。

例えば、森林相について、宮部ライン以南は喬木きょうぼく林、特に針葉喬木林が発達して北海道類似性を有し、殊に国後島の林相が北海道に酷似しているのに対して、宮部ライン以北は灌木林形を成すなど、両者の間には顕著な相違があります。

北海道本島でおなじみの、エゾマツ、トドマツは択捉島にまで分布していますが、得撫島より北にはないこと、動物も北海道本島と国後島とは全く同じ状態にあり、一部は択捉島にも及んでいて、大体において北海道と同じです。

3.北方領土は動植物の宝庫

北方領土の近海は、世界の3大漁場のひとつに数えられる魚の宝庫です。サケ、マス、ニシン、カニ、エビ、貝など寒流系の魚介類が多く棲んでいます。また、これらの魚介類をえさとするトドをはじめ、オットセイ、アザラシなどの海のけものもたくさんいます。

北方領土の島々には、北海道本島でも多く見られるキタキツネ、ヒグマ、クロテン、エゾライチョウ、クマゲラなどのけものや鳥が棲んでいるほか、カムチャッカ半島で繁殖した渡り鳥の通り道にあたるため、オジロワシ、エトピリカ、ウトウなどの珍しい鳥も見ることができます。

北方の動物たち