代表挨拶
独立行政法人北方領土問題対策協会は、北方領土問題その他北方地域( 歯舞群島 、 色丹島 、 国後島 及び 択捉島 をいう。)に関する諸問題についての国民世論の啓発並びに調査及び研究を行うとともに、北方地域に生活の本拠を有していた者に対し援護を行うことにより、北方領土問題その他北方地域に関する諸問題の解決の促進を図ること、また、北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律に基づき、北方地域旧漁業権者等その他の者に対し、漁業その他の事業及び生活に必要な資金を融通することにより、これらの者の事業の経営と生活の安定を図ることを目的として設立されました。
北方領土は、私たち日本国民が先祖代々受け継いできたもので、歴史的にも国際的取り決めからみても一度も外国の領土になったことがない我が国固有の領土です。しかし、終戦直後にソ連軍により北方領土は不法占拠され、島民は島を追われることになり、この状態は、ソ連が崩壊しロシアとなった現在も続いています。
戦後、我が国は、北方領土問題を解決して平和条約を締結するという一貫した基本方針の下、ロシアに対して粘り強い交渉を続けています。しかし、戦後75年以上の年月が経過しているにもかかわらず、この問題は未だ解決しておりません。
北方領土問題の解決は、日露両国間の最大の懸案事項であり、日露間の真の関係改善のためには、北方領土の返還を実現し、平和条約を締結する必要があります。そのためには、国民の皆様にこの問題を正しく認識していただくことが大切です。
協会は、国民世論の啓発の一環として北方領土返還要求運動の推進を行っており、全国に設置されている「北方領土返還要求運動都道府県民会議」や返還要求運動に取り組む民間団体の支援を行っております。また、元島民の方の高齢化が進んでいる中、次代を担う青少年に返還運動を確実に承継するため、全国の中高生や大学生を対象に北方領土問題に対する理解と認識を深めるための啓発事業も実施しており、皆様に御参加いただけるものもございますので、是非とも御参加いただきたいと思います。
政府の外交交渉を支える国民世論の結集と高揚のため、全国の皆様方と共に、これらの活動を積極的に推進するとともに、日露両国の合意に基づいて設定された旅券‧査証なしで行う相互訪問の枠組みの下、北方四島に在住するロシア人と元島民、返還運動関係者及び専門家等との相互交流事業である北方四島交流事業を通じて、北方領土問題解決までの間、相互理解の増進を図ってまいります。
現下の日露関係は厳しい状況にありますが、協会は北方領土問題等の解決の促進を図るために邁進していく所存ですので、今後とも皆さまの御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
独立行政法人北方領土問題対策協会
理事長
山本 茂樹
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