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北方領土の行政、交通・通信

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1.行政

得撫島以北の千島列島は、得撫郡、新知郡、占守郡の三郡から成り、根室支庁の直轄地で、町村制は施行されませんでしたが、択捉島以南は大正12年4月に町村制が施行され、国後島は国後郡泊村及び留夜別村の1郡2村、択捉島は択捉郡留別村、紗那郡紗那村及び蘂取郡蘂取村の3郡3村、色丹島は色丹郡色丹村の1郡1村となりました。歯舞群島には大正4年4月に町村制が施行され、花咲郡歯舞村の行政区域に属していました。

歯舞村は昭和34年4月根室市に編入されたので、歯舞群島は現在は根室市に所属しています。

官公署、公共施設としては、営林官署、水産物検査所、鮭鱒孵化場、郵便局、警察官署、裁判所出張所、測候所、村役場、小学校があり、医療施設としては村医が配置されていました。

紗那郵便局(2004年8月撮影)

2005年8月22日に、「紗那郵便局」を図案に入れた切手が発行されました。

島別総生産額(イメージ画像)
紗那水産会館(2004年8月撮影)

紗那郵便局及び水産会館の建物は、戦前、日本人により建設されました。北方領土での日本人の生活を示す貴重な建築物でしたが取り壊されました。

2.交通・通信

北海道本土と連絡する北海道庁命令航路として、根室を起点とする根室近海線及び根室択捉線、函館を起点とする函館択捉線があり、根室・色丹間及び函館・年萠(択捉島)間は1年を通じ、他はおおむね4月から12月まで各2~4航海を運航していました。このほか、漁繁期には漁業者及び漁業組合等の運航する自由航路もありましたが、この地域において命令航路は枢要欠くべからざるものでした。

港湾の状況について見れば、天然の良港が多く、自然の湾形が利用されていましたが、港湾施設がなかったため基幹産業である漁業の発展及び冬期における交通、物資輸送の確実を期し難い状況にあり、港湾の施設整備が急務とされていました。

道路は、準地方費道、拓殖費支弁町村道及び町村費支弁町村道を合わせて認定路線の延長は1,000余kmでしたが、重要路線である準地方費道についても開削、改良を施行されたものはその半ばに達せず、工法も簡易工法によるものが多く、橋梁も不備で、車馬通行の可能な区間は極めて僅少でした。このような状況から、幹線道路の開削、整備が開発上の重要な課題でした。

通信については、秋勇留島を除く各島には郵便、電信を取り扱う郵便局が2、3局あり、色丹局と紗那局には無線電信施設があり、また根室・国後間には海底電信が設けられていました。