1.北方領土の自然
海流の影響により2月の平均気温は、マイナス6.5度で北海道内陸部より暖かく、雪も少ないです。いちばん暑い8月でも平均16度で、涼しいです。
択捉島や国後島は、千島火山帯に属し1,500mを超える山々があります。歯舞群島や色丹島は、緩やかな丘陵地(小山あるいは丘の続く地形)です。

択捉島の山で標高1,582m

国後島の山で標高1,772m
北方四島の中で一番高い山


2.北方領土で見られる自然
ヒグマ、キタキツネ、アザラシ、ラッコ、イルカなどのたくさんの動物がいます。また、エトピリカ、シマフクロウ、オジロワシなどの珍しい鳥も多くみられます。
ヒグマ、キタキツネは、北海道本島でも多くみられます。



3.北方領土の人口[2018年(平成30年)1月時点]
択捉島、国後島、色丹島には、約18,000人のロシア人が住んでいます。
択捉島は約6,400人、国後島は約8,500人、色丹島は約3,000人です。
歯舞群島には、一般の住民は住んでおらず、国境警備隊が駐留しているだけです。
4.北方領土の産業
北方四島の主な産業は、水産加工業です。
北方四島の周辺の海は、タラ、カレイ、カニなどが多くとれ、また、河川は、サケ・マスの産卵地となっています。
特に択捉島では、大きな水産加工会社があり、最新の設備を取り入れながら、水産加工を行っています。


5.島の人々の生活
島民の多くは、ダーチャ(農園付きの別荘)でジャガイモや赤ビーツを育てたり、温室でトマトやキュウリなどの野菜を作ったり、さまざまな副業により生活を営んでいると言われています。


6.北方領土の生活設備
道路設備
島内の移動は車を利用します。以前、北方領土には舗装された道路はほとんど見られませんでしたが、近年は空港やサケ・マスふ化場などへ行くための主な道路の整備が進められています。


港湾・飛行場設備
各島間や、サハリンへ移動する際は、定期船を利用します。また、国後島と択捉島には、空港があり、航空機でサハリンに移動する際に利用されています。
島の港湾設備には、一部難破船が放置されたままの状態ですが、近年整備が進められています。


電気設備
島では、照明から炊事まで電気にたよっているため、電力不足による停電が過去には頻繁に起こっていましたが、日本の人道援助により、色丹島、国後島、択捉島に発電施設が建設され、最近では、火山の熱エネルギーを利用した地熱発電などが導入され、電力不足が改善されてきました。

北方四島の学校
島の教育制度は、小学校、中学校、高校を一貫した11年制です。大学が島にないため、卒業後は、サハリンやユーラシア大陸の大学に進学する人も少なくありません。
